MINIMALさんとライオネル氏のコーデ談義

MINIMALさんとライオネル氏のコーデ談義

 「シンプルをベースにしたスタイリング+ α」を提案されているMINIMALさん、英国キャサリン・ハムネット社のMD統括責任者のライオネル氏が対談。

 ライオネル氏からはブランドの歴史や、キャサリン本人が大事にしている価値観を語ってくれました。そして今回のスペシャルモデルの靴について触れながら、どのようなコーディネートを楽しみたいか、それぞれが語り合いました。

 

80年代当時から「長く着ること」を大事にしていた

 ライオネル氏:英国はインドやアフリカからの影響もあったカルチャーで、またキャサリン自身は父親の仕事の関係からさまざまな国でも生活をしていました。彼女にはそういった審美眼や、ヒストリーやクオリティを大切にするまさに英国らしさがあります。

 一緒に仕事をしてきたトリッカーズ、ジョンスメドレー、マッキントッシュは、当時はブランドではなく高品質なものづくりをする工場でした。それはキャサリン自身がクオリティを重視しており、当時から「長く着ること」を大事にしているためでした。それは80年代の当時にはほぼなかった、珍しい考え方でした。

 軍服の素材も頑丈で長く使われるものだったので、ミリタリーからもインスピレーションを受けていました。例えば、当時パラシュートに使用されてた羽二重シルクを洋服に取り入れ、このボンバージャケットも羽二重シルクで作ったことがあります。

MINIMALさん:ライオネルさんのエピソードと、キャサリンさんの価値観について聞けて嬉しいです。 長く愛せるものづくりへのこだわりや、様々な文化からインスピレーションを受けながら英国らしさを大切にされているお考えにも感銘を受けます。

 特に「長く着ること」を重視する視点や、軍服やミリタリーからのインスピレーションを洋服に昇華させるセンスには、現代にも通じる普遍的な価値が感じられます。

 今回のスペシャルモデルのシューズも、こうした背景が詰まっているからこそ、着る人に特別なストーリーを伝えてくれるのだと思います。

スローガンはブランドのDNA

ライオネル氏:キャサリン自身は外交官の父親の家庭で育ったため、幼い頃から社会や政治について考えることが多かったようです。そこからブランドを象徴するスローガンが生まれました。

 多くの人に知ってほしいことをスローガンにして、自身の声で主張することを恐れずにやってきました。「CHOOSE LOVE」は大事なスローガンの一つで、Tシャツの利益を全て難民支援へ寄付する活動をしました。

 またコットンに関しては、オーガニックコットンに切り替えたくても、土壌改良のために3年の期間が必要です。そのための資金や移行後の収穫の不安定さなど、苦しんでいる農家の方々の様子をたくさん見てきました。そこで、1994年から1995年にかけて「GREEN COTTON PROJECT」を立ち上げて、いろいろなデザイナーに声をかけて労働環境や自然環境を良くしようと働きかけました。

 今、日本では「SAVE OUR FUTURE」として間伐の活動をして、その材から積み木を作って幼稚園に寄付をしています。ちょっとしたことだけど、やり続けることが大事だし、それが大きな結果につながっていきます。

MINIMALさん:マインドと行動力が素敵です。 正直、自分の身の回りのことで精一杯で、視野を広く他者や社会に貢献するという行動ができていない人は多いと個人的には感じてます。

 そういった中で「何かを変えたい」という強いマインドに驚かされたのと同時に、シンプルに素敵だと感じました。 私はまだまだ余裕がない部分もあり未熟ですが、もっと何か新しいチャレンジをしたいという気持ちにさせて頂きましたし、そのきっかけを今回のお話で感じれたことに感謝してます。

シックなスタイルも、崩したファッションも楽しんでほしい

ライオネル氏:今回、特別に企画したスリッポンは幅広い着回しがきく、クラシックな型を選びました。レザーワーキンググループのGOLD RATED認証サプライヤーの高品質の牛革を使用しています。

MINIMALさん:このスリッポンを見て、汎用性が高く、逆に正解がないように感じましたが、ライオネルさんならどのように合わせますか。

ライオネル氏:足首が見えるくらいのちょうどいい丈のストレートなパンツと履いてほしいです。 あるいは振り切ってワイドパンツ。 動きを感じられるドレープ感のあるパンツに合わせるのは、今の空気感に合っているかもしれないですね。

MINIMALさん:今っぽいというと確かにワイドなパンツは想像できます。 ストレートなパンツというと例えばリーバイスの501。そのようなイメージですか。

ライオネル氏:まさにそのイメージですね。昔、日本で買ったヴィンテージの501を持っているから、そう合わせたいと思っていました。

MINIMALさん:理解しました。 それと、モノトーンでシックに合わせるイメージも合うかなと感じております。 ブラックのパンツにデニムジャケットや、ブラックのTシャツにジョンスメドレーのカーディガンを合わせたりすることも考えたんですけどどうですか。

ライオネル氏:完璧ですね!そのようなシックなスタイルもいいし、逆に崩したファッションにもどちらも有りだと思っています。 例えば、スーツスタイルにスカーフを合わせたりとか、ぜひ僕のスタイリングも見てみてください。

MINIMALさん:スカーフも素敵です。 今日も会った瞬間からスカーフに注目していました。 私も挑戦してみたいです。 今からどのようなコーディネートにするか考えるのが楽しみです!

 

KATHARINE HAMNETT LONDONのアイテムを取り入れた、MINIMALさんのコーディネートはInstagram(stylist_minimal_k) から、ライオネル氏によるコーディネートは特設ページからご覧いただけます。

 

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