ロンドンファッションウィークの歴史

ロンドンファッションウィークの歴史

ロンドンファッションウィークの賑わいに合わせて、今回は、ロンドンファッションウィークの歴史と、デザイナー キャサリン・ハムネットの歩みについて深掘りします。

*本投稿は、VOGUE UKの記事 (“London’s Always Where You See The Future Coming”: Sarah Mower Looks Back On 40 Years Of Capital Style | British Vogueを参考に要約・再構成したものです。

ロンドンファッションウィーク誕生秘話:保守的なパリへの挑戦

1980年代初頭、イギリスのファッション業界は、パリのオートクチュール中心の世界に対して、独自の創造性をアピールする必要性を感じていました。そこで、1984年にBritish Fashion Council (BFC) が中心となり、ロンドンファッションウィークが誕生しました。

当初は、ウェスト・ケンジントンの駐車場にテントを張った、比較的小規模なイベントだったそうです。セントラル・セントマーチンズなどの世界的なファッション学校を持つロンドンの地で、多くの若手デザイナーがデビューする場として成長していきました。今や、世界4大ファッションウィークの一つとして認識され、多くのデザイナーやファッション愛好家にとって重要なイベントにまで成長したこのイベントも、積み重なる歴史の中で既存の権威に挑戦し、新しい才能を世界に発信するという、熱い情熱が込められて成長を遂げていたのです。

メッセージを纏うデザイナー、キャサリン・ハムネット

そんなロンドンファッションウィークの初期を語る上で、デザイナー キャサリン・ハムネットは、外すことのできない大きな存在です。

彼女は、サステナビリティや政治的なメッセージを、現在のように取りざたされる前の時代から先駆けて、ファッションを通して発信することに情熱を注ぎました。1980年代の代表的なアイテムである、巨大なスローガンTシャツは、社会への強いメッセージを込めた彼女の代名詞とも言えます。

CHOOSE LIFE」「SAVE THE WORLD」といったメッセージを大胆にプリントしたTシャツは、目にしたことのある方も多いかもしれません。先進的に社会問題への意識を高め、多くの人々に影響を与えたデザインです。特に、1984年にマーガレット・サッチャー首相に会った際に着ていた「58% DON'T WANT PERSHING」という反核メッセージTシャツは、世界中で大きな話題となりました。

また、キャサリン・ハムネットは早くから、環境に配慮した素材の使用や、倫理的な生産プロセスを重視していました。彼女の取り組みは、現代のサステナブルファッションの先駆けと言えるでしょう。ファッションを通じた社会貢献も行い、彼女のデザインは、単なる衣服ではなく、社会を変えるためのツールとして機能しました。その革新的な姿勢は、多くのデザイナーに影響を与え、ファッション業界全体の意識改革を促しました。

「ファッションは変化を起こす力がある」 彼女の力強い信念は、現代も色褪せることなく、より一層輝きを増しているように感じます。


*Photo by Lauri Gaffin/Penske Media via Getty Images

多様性と革新性:ロンドンのDNA

ロンドンファッションウィークは、その後も常に新しい才能を発掘し、多様なスタイルを提案し続けています。Alexander McQueenVivienne Westwoodといった伝説的なデザイナーから、新進気鋭の若手デザイナーまで、様々なクリエイターたちが、ロンドンの街を舞台に、自由な発想を表現しています。

ロンドンは常に「反逆精神」と「多様性」を大切にしてきた街です。それはファッションウィークの歴史にも色濃く反映されています。

ロンドンファッションウィークから学ぶこと

ロンドンファッションウィークは、単なるファッションイベントではありません。そこには、社会へのメッセージ、革新的なアイデア、そして何よりも、ファッションを愛する人々の情熱が詰まっています。

キャサリン・ハムネットのような生き方や、ロンドンファッションウィークのルーツを辿っていくことは、私たちの日々のファッションの楽しみ方にも、新たなインスピレーションを与えてくれるはずです。

ぜひ、ロンドンファッションウィークの動向をチェックして、あなた自身のライフスタイルにも取り入れてみてください!

 

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